「うんちはどこへいくの?」——息子のこの一言が、すべての始まりでした。YouTubeで誰かの動画を見せるんじゃなく、「自分で作って答えたい」と思ったのが正直な動機です。でも絵も描けないし、動画編集もできない。そこで頼ったのがAI。ただし、AIを1つだけ使ってもうまくいきませんでした。この記事では、Notion AI・Suno・Claude Codeという3つのAIを使い分けて、知育絵本を全自動で作った全工程を公開します。
「うんちはどこへいくの?」——息子の一言から始まった
子どもの素朴な疑問に、親が自分の言葉で答えたいと思った瞬間がきっかけでした。
4歳の息子がトイレで聞いてきたんです。「うんちって、ながしたらどこいくの?」と。
正直、ちゃんと答えられませんでした。「下水道を通って…」と説明しかけたけれど、4歳児にはピンとこない。YouTubeで探せば誰かが作った動画はあるかもしれない。でも、ふと思ったんです。「自分で作って、この子に届けてみたい」と。
絵は描けません。動画編集の経験もほぼゼロ。でもAIがあれば、もしかしたらできるかもしれない。そう思って始めた知育絵本づくりが、想像以上の冒険になりました。
💬 こんな経験ありませんか? 子どもの「なんで?」にうまく答えられなかったこと。ぜひコメントで教えてください。
最初の大失敗——Claude Codeに全部任せたら予想と全然違うものができた
AIに丸投げしても、思い通りのものは作れません。「設計」と「制作」を分ける必要がありました。
最初のアプローチはシンプルでした。使い始めたばかりのClaude Code(AIがコードを書いて実行してくれるツール)に「うんちの旅」をテーマにした知育絵本を作ってとお願いしたんです。台本も画像も音声も動画も、全部一気に。
結果は——予想とは全然違うものが完成しました。
キャラクターのサイズがシーンごとにバラバラ。同じ人が2人。人と物が合体。影の方向が統一されていない。セリフが不自然で、4歳児には難しすぎる言葉が混ざっている。「知育絵本」と呼べるクオリティではありませんでした。
⬆ 失敗例:Claude Codeに丸投げした結果。キャラのサイズがバラバラ、同一人物が2人出現、人と物が合体するなどカオスな仕上がりに。
ここで気づいたことがあります。
チャット形式(Claude Code)だけでは、複雑な仕様を整理しきれない。 会話の中で指示を出すと、前の指示が流れていく。構成・キャラ設定・画像の細かい指示を全部チャットで管理するのは無理がありました。
必要だったのは、ページ形式で仕様を構造化すること。そしてそれができるのがNotion AIだったんです。
この失敗があったからこそ、「設計 = Notion AI、音源 = Suno、制作 = Claude Code」 という3段構成にたどり着きました。
⬆ 最終的にたどり着いた制作ワークフロー。設計・音源・制作の3段構成で役割を分担。
Notion AIで「絵本の設計図」を完成させる
設計の質が、完成品の質を決めます。 Notion AI上に「EhonMaker」というスキルを作り、絵本の全設計図をここで完成させています。
具体的に何を設計しているかというと:
- フォーマット判定:対話形式か、動物の世界か、擬人化か。テーマに応じて3種類から選ぶ
- 5パート構成:オープニング → 出会い → 3段階の発見 → 感情的な着地 → まとめ。秒数配分まで設計
- キャラクター設定:黒おかっぱの子ども(頭身比1:3.5)、赤蝶ネクタイのはかせ。髪型・服装・声のトーンまで固定
- 画像生成の9フィールド指示:各シーンごとにScene / Setting / Time / Mood / Composition / Characters / Subject / Style / Physicsの9項目を記述
- セリフの秒数管理:動画全体が2分〜2分30秒に収まるよう、パートごとに尺をチェック
ここまで設計して初めて、Claude Codeに渡せる「設計図」が完成します。
「そこまでやるの?」と思うかもしれません。でも、ここまで指定しないとAIは破綻するんです。これが一番の学びでした。
Sunoで「世界に一つだけのBGM」を作る
知育絵本の雰囲気を決めるのは、実は音楽です。 既存のフリーBGMではなく、テーマに合ったオリジナル楽曲をSuno(AIで音楽を生成できるサービス)で作っています。
指定するのはこんな内容です:
- BPM 90前後:幼児がリラックスして聴けるテンポ
- ジャンル:テーマに合わせて変える(冒険ならマーチ風、夜の話ならオルゴール風など)
- 尺:絵本動画に合わせて50〜60秒。ループして使える構成に
- 歌なし(インスト):セリフと被らないようにBGMに徹する
Sunoで生成した音源をClaude Codeに渡すと、動画合成のステップで自動的にBGMとして組み込まれます。フリー素材では出せない「この絵本だけの空気感」が作れるのが、Sunoを使う一番の理由です。
Claude Codeに渡したら「完成しました」が返ってきた
設計図とBGMさえ揃えば、制作工程は全自動。コマンド1つで絵本動画が完成します。
Claude Codeのチャットに /ehon-make コマンドとNotionページのURLを送る。たったこれだけです。あとはClaude Codeが6ステップを自動で実行します:
- 台本をJSON形式に変換
- シーンごとに画像生成(Imagen 4)
- セリフごとに音声生成(Gemini TTS)
- 画像+音声+Suno BGMを動画に合成(ffmpeg)
- 自動品質チェック(問題があれば自動再実行)
一番苦労したのは「設計の精度」だった
制作は全自動でも、設計で手を抜くと一瞬で破綻します。 もっとも試行錯誤したポイントを3つ紹介します。
1つ目は物理ルール。 蜘蛛の巣は必ず2点以上の固定物の間に張る。影の方向は全キャラクターで統一。水は重力に従って上から下に流れる。こういった「当たり前のこと」を明示的に指定しないと、AIは平気で物理法則を無視した画像を生成します。
2つ目はキャラクターの一貫性。 おかっぱ黒髪の子ども、赤蝶ネクタイのはかせ。シーンが変わるたびに髪型や服装が変わってしまう問題に何度もぶつかりました。9フィールドのCharacters欄で毎回同じ記述を入れることで、ようやく安定しました。
3つ目はサイズ比率。 画像生成の指示でSubjectフィールドにサイズを指定しなかった結果、キャラクターと背景の大きさがめちゃくちゃな画像ができあがりました。

⬆ 修正後:Subjectフィールドでサイズ比率を明示的に指定したことで、キャラクターと背景のバランスが整った仕上がりに。
どれも「設計で指定しなければAIは守ってくれない」という同じ教訓に帰結します。設計の精度がすべてを決める——やってみないとわからない感覚かもしれません。
完成——そして予想外の副産物が生まれた
絵本が完成したこと以上に、その後に起きた変化のほうが大きかったです。
息子に完成した絵本動画を見せたときの反応は「もういっかい!」でした。何度もリピート再生をせがまれて、正直うれしかった。自分が作ったものが、ちゃんと子どもに届いた。
でも本当の驚きはその後でした。
息子が「つぎはこれがいい!」「あれもつくって!」と、新しいテーマをどんどん提案してくれるようになったんです。「かみなりってなに?」「おほしさまはなんでひかるの?」——子どもの好奇心が、次の絵本のテーマになる。
そして一緒に調べるプロセス自体が、科学の知識を学ぶ機会になっていました。「うんちってどこいくの?」から水の循環を親子で調べる。絵本づくりが、親子の学びのサイクルを回すきっかけになったんです。
「AIで絵本を作る」がゴールだと思っていました。でも違った。「親子で学び続ける仕組みを作る」ことが、本当のゴールだったんです。
よくある質問
Q. プログラミングの知識は必要ですか?
Claude Codeの初期セットアップは必要ですが、やり方自体はAI(ChatGPTやClaude)に聞けば手順を教えてもらえます。一度環境を作ってしまえば、日常の絵本制作ではコマンドを1つ送るだけ。設計はNotion上で完結するので、プログラミングそのものの知識はほぼ不要です。
Q. 1本の絵本動画を作るのにどれくらい時間がかかりますか?
設計に10分、制作(Claude Code)は全自動で約10〜15分です。最初の数本は設計に試行錯誤がありますが、テンプレートが固まれば完成まで20分程度に短縮できます。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
Notion AI・Suno・Claude Codeはサブスク費用なので別として、1本の絵本制作で実際に発生するAPI費用は画像生成(Imagen 4)と音声生成(Gemini TTS)のみ。合わせて1本あたり数十円程度です。
まとめ:ラボパパの結論
AIは「1つ使う」のと「3つ使い分ける」のでは、結果がまるで違います。Notion AIで設計の質を上げて、SunoでオリジナルBGMを作り、Claude Codeで制作の手間をゼロにする。親がやるのは「この子に何を届けたいか」を考えることだけ。
そしてその先には、子どもが自分からアイデアを出してくれて、一緒に調べて、また作る——という学びのサイクルが待っています。忙しい毎日の中でも、AIを味方にすれば「親子で学び続ける仕組み」は作れる。そう実感しています。
👉 AI×子育ての実践記録は AI×子育て カテゴリでまとめています。

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